HOMENovel>小説本編:短編集-直線


直線-2012/02/27-

こんばんは。お元気ですか?

私は今日も元気です。


あ…いや、ちょっと待ってね。
まあ大丈夫なんだけど、色々忙しくって。
物語考えたりとかさ。絵も描いたり。
ごめんね、だからそんなに話せそうにないや。

元を正せば私のせいだけど。
自分からやりたいなんて言って。まさか仕事と両立って事になるとは。


はあ。

うん、そうだよね。

…。

あ、ちょっと愚痴らせてもらってもいい?
さっき時間ないとか言ったけど、ごめん、付き合って。

あのね。

さっき絵描いてるって言ったよね。
なんかね。いや本当関係無いんだけどさ。


…真っ直ぐな線が描けないの。

例えば今も、直線を描きたくても。
どうしても曲がるのよ。
あるいは少しぶれたりとか。

どんなに力を抜いても。

定規を使っても。

駄目。

これは私が悪いの?
いいや、使ってる画材が悪いんだそうに決まってる!
そうよ……。

…。
あれ…、
最後に綺麗な線を描いたのは。

ああ。



あの子をカッターで切った時だ。


Copyright(C)2011-2012 Minus13 All Rights Reserved.